Ocean of Books

読んだ本をまとめます

科学的に正しい筋トレ 最強の教科書

2019年03月28日 庵野拓将 『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』KADOKAWA

科学的なエビデンスに基づいて、筋トレを最適化する。

科学的な根拠に基づいた筋トレの理論を教えてくれる本です。
理論だけでなく実践的な部分も当然ありますが、フォームなどはマシントレーニングについて語られますので、この本を最も活用できるのは、ジムを利用する方ではないでしょうか。もちろん基本的な部分は自重トレーニングでも応用にできます。

きっかけ

脳を鍛えたかったら体も鍛える必要がありますよね。

概要

筋トレを「成果」という解を求める方程式に見立てて、方程式を構成する変数の最適値とその根拠を、科学的なエビデンスに基づいて構築する第1章、その方程式で求めた解を実現するための具体的な実践方法を、科学的なエビデンスに基づいて構築する第2章、実践した結果をさらに高めるためのタンパク質の摂取方法を、科学的なエビデンスに基づいて構築する第3章、実践し続けるためのモチベーションの維持方法を、科学的なエビデンスに基づいて構築する第4章、という4章仕立てで、どの章でも理論を展開するに際して、科学的なエビデンスが挙げられているのが最大の特徴だと思います。
「筋肥大の効果=総負荷量(強度×回数×セット数)×セット間の休憩時間×関節を動かす範囲×運動スピード×筋収縮の様式×週の頻度」という筋肉を大きくする方程式の最適な変数が科学的に求められるのですから、知らずに筋トレをするのとは、結果が大きく変わってきそうです。

私見

根拠も含めて興味深く読めました。筋肉を大きくする方程式の特化型、筋力を強くする方程式を実践していきたいです。
フォームがマシントレーニングのものなので、自重トレーニングについては別の本で勉強することにしました。

マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる〜く解説

2012年1月25日 大上丈彦 『マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる〜く解説』 SBクリエイティブ

統計学についてのゆるい語りに親しんでいるうちに、確かな地図が描ける。

マンガによる解説付きで、初級者向けに統計学を解説する本です。 とても親しみやすいので、統計学に威圧感を覚えた方は、まずこの本から入ってみてはいかがでしょうか。

きっかけ

統計学を学ぼうシリーズ2冊目です。 『完全独習 統計学入門』とパラレル読みする相方を探していたら、ちょうどよい本に出会えました。足りない部分を保管し合い、重なる部分は増強し合う、よい読書になりました。

概要

度数分布表やヒストグラム、平均や標準偏差といったおなじみのメンバーの紹介から始まり、正規分布などの分布を学んで記述統計学の足元を固めてから、区間推定や仮設検定といった推測統計学の領域に踏みこんでいきます。 一番の特徴は、絵が多いので説明されていることがすんなりと頭に入ってくることです。文章とマンガが補いあっているので、イメージが掴みやすいです。

私見

羊と山羊、狼の掛け合いと、大上さんの口調が絶妙なハーモニーでした。 先に読み進めていた『完全独習 統計学入門』と保管し合う形で、統計学の基礎を確かなものにしてくれたと感じます。 手を動かす部分が薄いので、別の教材があると尚よいです。 とてもよい本なので是非とも電子書籍になっていただいて、気軽に持ち運ばせていただきたいところです。

完全独習 統計学入門

2006年9月28日 小島寛之 『完全独習 統計学入門』 ダイヤモンド社

中学レベルの数学で確率にも触れずに、小標本の検定・区間推定に到達する。

中学レベルの数学で確率にもほとんど触れることなく、予備知識ゼロからスタートした人が、平均や標準偏差を計算し、データの一部からデータ全体を推測できるようになるまで導いてくれる本です。
数学の知識が不足している人が、大まかな統計学の土地勘を得るのにもってこいの本だと感じました。

きっかけ

統計学を学ぼうシリーズ1冊目です。
東大読書のクロス読みで2セット、4冊は読もうと計画しています。

概要

統計学の考え方の本質的な部分は、数学記号や数学公式ないでもきちんと伝えることができる」という指針のもと、中学レベルの数学で確率にほとんどふれることなく、第一部で平均や標準偏差とそれらを用いた検定や区間推定を学び、第二部ではそれらを展開し、母集団の平均や分散がない状況、小標本の検定・区間推定を学びます。
平均や標準偏差、母集団や標本、95%信頼区間といった言葉の意味、正規分布カイ二乗分布、T分布がなぜ、どういう時に使えるのか等、統計学に必要な知識がわかりやすく述べられていますし、章ごとについてくる練習問題を解けば自然にレビューもできてしまいます。
計算が平易に語られていることがありがたいです。

私見

平均や標準偏差正規分布による検定や区間推定までは分かっていたのですが、カイ二乗分布やT分布という母平均や母分散がわからない時の道具立てが理解できてきました。
クロス読みしている『マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる〜く解説』も進めていきます。

読書する人だけがたどり着ける場所

2019年1月9日 齋藤孝 『読書する人だけがたどり着ける場所』 SBクリエイティブ

より深く、更なる高みへと向かうマインドセットを構築する。

読書によって思考力や知識を養い、人格や人生を深めることができるということを教えてくれました。 紹介しているのは読書の技術というよりは、よりよく読むための考え方や姿勢といったマインドセットです。 人格や人生の深み、あるいは古典文学や東洋的な思想について推薦していますので、そこに抵抗を感じない方であれば、より深く、更なる高みへと向かおうとするマインドセットを構築できると思います。

きっかけ

読むこと再入門シリーズ6冊目です。 7冊のうちの2冊は古典にしようと思っていたのですが、元々気になっていたこの本がKindleでセール対象になっていたので、ついつい購入してしまいました。

概要

「なぜ、いま本を読むのか」という問いに始まり、この本を通じて語られる「深さ」について説明して読書に対するモチベーションを話した後は、実践としての本の選び方、「思考力を深める本の読み方」、「知識を深める本の読み方」、「人格を深める本の読み方」、「人生を深める本の読み方」、難しい本の読み方と、より深い読書へと、どんどん誘ってくれます。

私見

より効率よく本を読もうという考えとは正反対の本なので、バランスが取れてちょうどよかったです。 読書の効能を、思考力から知識、人格や人生へと広げていく筆致は、さすが教育に関わられている方だなあと感じました。 難解な本に実直に向き合おうとする姿勢は、忘れないようにしたいです。 以下、この本のコアだと感じた文章です。

読書は人間に生まれたからこそ味わえる喜びです。自分で自分の人生を深めていける最高のものです。

「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書

2018年6月1日 西岡壱誠 『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』 東洋経済新報社

きっかけ

読むこと再入門シリーズ5冊目です。
目標の7冊のうちの2冊は古典を読もうときめていたので、残り1冊を何にするか迷った末、タイトルに聞き覚えがあったこの本を読むことにしました。

概要

この本は知識を自分のものにし、同時に地頭力も高める読書法である「能動的な読書」について、本の読み方と本の選び方の二つの方向から教えてくれます。
仮説作りと取材読み、整理読みと検証読み、議論読みという能動的な読書を構成する5つのステップは、1冊の本をより深く理解し、応用できるようになるためのスキームを提供してくれます。
本の選び方については、この本が必要なレベルの読者なら当たり前のようにしていることかもしれませんが、「読まず嫌い」について目を通しておいて損はしないと思いました。

## 私見

あまり読書の経験がない人向けに書かれている先の3冊に対して、この本はその先へ行く方法を示していると感じました。正直、このタイミングで読めて本当によかったな、と感じています。 時間をかけずに読み、アウトプットしようとする前者に対して、後者はそれぞれのステップで成果物を残していくことに重点がおかれています。 仮説作りで読み始める前の準備をして、取材読みと整理読みで内容を読み解きながら、検証読みで知識を偏りをさけ、議論読みでアウトプットを行うというスキームは、情報収集の効率化を目的にしているのではなく、自分の考えに立脚した知識体系をを構築することを目的にしていると感じました。

以下、この本に書かれていた印象的な言葉です。

疑問を持てると、情報を鵜呑みにせずに、自分の中で質問を考えて読解することができる

疑問を持ち、考えたその先は結論です。
結論を出すためには、自分の足がしっかりと地面についている必要があるわけですから、素直に飲み込むのではなく、ここまで辿りつきたいです。

レバレッジ・リーディング

2006年12月1日 本田直之 『レバレッジ・リーディング』 東洋経済新報社

きっかけ

読むこと再入門シリーズ4冊目です。
ネットでお薦めされていたので読むことにしました。

概要

投資に例えて読書をお勧めしてくれる本です。
たくさんの本を効率よく読めて、条件反射的に活用できるようにしてくれる多読術「レバレッジ・リーディング」について、読書のメリットに始まり、ビジネス書の選び方から1日1冊を読む戦略、アウトプットであるレバレッジメモの作り方、本棚の整理や本の処分に至るまで、至れり尽くせりな内容です。
投資になぞらえてビジネス書の読み方を教えてくれる本ですから、ターゲットははっきりしていますよね。

私見

レバレッジ・リーディングのインプットとアウトプットは以下のようなスキームになっています。

  • インプット(読み方)
    • その本を読む目標を明確にしておく
    • ソデやオビで全体を俯瞰しておく
    • 制限時間を設ける
    • 目標があると選択的注意が働くので斜め読みする
    • 棒線や書き込みをする
    • 最も重要な16%をつかむつもりで読む
  • アウトプット(レバレッジメモ)
    • 線を引いた箇所や書き込みをPCに入力する
    • 入力したものをプリントアウトして持ち歩いて見返す

こうして見てみると、やっぱり読書はアウトプットとセットにすることが重要そうですね。
今私ははこうして、はてなブログを書いていますが、『死ぬほど読めて忘れない高速読書』で紹介されていたアウトプットノートもつけています。
今はたったの本4冊分でしかないですが、積もっていくとどうなるのか、自分で体験してみようと思います。
よりよく学んで、学んだことを活かせるように。

以下はこの本で見つけたお気に入りの言葉です。

「自分だったらどうするか」をシミュレーションしつつ読んでいくと、アイデアがどんどん出てきます

主体的に読むってこういうことかな、と思いました。

時間は有限ですから、一度読んだ本は二度読まないつもりでいたほうがいい

時間を有意義に使いたいならこのくらいの緊張感が必要ですよね。

読んだら忘れない読書術

2015年4月20日 樺沢紫苑 『読んだら忘れない読書術』 サンマーク出版

きっかけ

読むこと再入門シリーズ第3冊目です。
樺沢さんの本は以前にも読んだことがあったのと、Blog等で評判もよかったので選びました。

概要

本を読むことに対するモチベーションに始まり、記憶に残る読書術とスキマ時間読書術、深読読書術という樺沢さんの読書術の3つの基本とその実践方法としてのアウトプット読書術とスキマ時間記憶強化読書術、さらには本の選び方やKindleの使い方まで、手取り足取りな本です。

私見

手取り足取りで丁寧に導いてくれるので、本を読みあぐねている人にはとてもよいですね。
マーカーや書き込みで自分にとって重要な部分を抽出して(インプット)、人に勧めたりSNSで発信したりする(アウトプット)が1サイクルというアウトプット読書術は、アウトプットやインプットの本を出されている樺沢さんらしいですし、理にかなっています。
制限のあるスキマ時間で効率よく読んでいこうというスキマ時間記憶強化読書術も実践してみようと思います。