Ocean of Books

読んだ本をまとめます

死ぬほど読めて忘れない高速読書

2019年8月23日 上岡正明 『死ぬほど読めて忘れない高速読書』 アスコム 

きっかけ

読むこと再入門シリーズ第2冊目です。

たまたま家にあったので読むことにしました。文章そのものの読み方ではなく、本の読み方の本という意味でも要件に合っていたので丁度よかったです。

 

概要

高速読書とは、1冊の本を別の時間に3回、計30分で読みましょうという読み方です。

具体的には、1回目は15分でドッグイヤーをつけて、2回目は10分でドッグイヤーをつけたところを中心に青ペンでなぐり書きをし、3回目は5分でなぐり書きをしたところからアウトプットノートをつける。アウトプットノートには、読書の目的と書名、本のエッセンスとその内容を受けた行動のプランを記入します。

本を30分で3回読み、読んだ内容をまとめて、行動におこすところまでがセットなので「死ぬほど読めて忘れない高速読書」なのですね。

それから、基礎中の基礎の2冊、応用、判断力の中級レベル3冊、専門レベル2冊の計7冊でその分野に精通できるそうです。

私見

別の時間に再読することで記憶の定着や情報の整理ができますし、2度の読みで絞り込んだ部分について実行を前提にアウトプットする、というスキームは理にかなっているように思います。

物語や教科書、参考書を読むのには向かないでしょうが、素早く情報を読み取ってもらうことを目的とした(ライトノベル的というか)ビジネス書には最適だと感じました。

1分野7冊を目標に、学びに関する読書はこのスキームで続けてみようと思います。

「読む」って、どんなこと?

2020年06月25日 高橋 源一郎 『「読む」って、どんなこと? 』学びのきほん NHK出版

きっかけ

読むことに再入門するつもりで選んだ数冊のうちの第一冊目です。

厚くはないという理由で、とりあえずの橋頭堡にするつもりで選んだのですが、しっかりと書かれた本だったので、引きこまれてしまいました。作者の方は作家さんなのですね。

概要

わたしたちは義務教育で「読むこと」を教わってきました。ところが、その読み方では読めないものがある、と作者の高橋さんはおっしゃっています。三島由紀夫賞谷崎潤一郎賞を受賞した作家さんによる、よりよく読むための授業です。効率よく情報を拾いあげる方法を教えてくれる本ではありません。入力された情報とどう向きあうのか、を教えてくれる本です。

簡単な文章から始まり、絶対に学校では教えない文章や、学校で教えてくれるはずの文章を経由して、最後に書かれた文章へと、6+1時間の授業が終わるころには、読むことがきっと一段階昇華しています。

私見

いかに効率よく情報を吸いあげるか、だとか、内容を記憶に止めるにはどうするか、だとか、そういったことではなく、義務教育で教わった読み方について再認識したうえで、その方法では読めないものにどう向き合うか、読んだものについてどう考えるか、ということを教えてくれるというページ数とは裏腹に濃い内容でした。

読んで、考えて、足場を築く。その足場から読んで、考えて、足場を築く。きちんと読めればきっと高いところに行けるはずです。